月刊自動認識2014年08月号
物流におけるRFIDの提案事例
月刊自動認識2014年8月号
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月刊自動認識2014年8月号
物流におけるRFIDの提案事例を紹介する。今回は特にAndroid端末と中出力のUHF帯RFIDリーダの組み合わせの事例を中心に取り上げたい。先般の周波数移行(電波法の改正)により中出力リーダの包括登録が不要となり、自由に持ち運ぶことができるようになった。現在小型のリーダは各メーカーが競って製造に着手している。一方スマートフォンは、ご承知のように多機能かつ使いやすく日々進化をしている。Android+小型UHF帯リーダの組み合わせ提案事例の中から、下記を取り上げる。
救援物資配送管理システム
大規模災害時に集められた支援物資が、どこの拠点にいつ配送されたのか? 支援物資を一元的に管理する仕組みがなく、ある拠点には使われないまま物資が山積みされている一方、ある拠点では物資が不足するなど、著しい不均衡が発生したことは記憶に新しい。我々が提案するのは、支援物資をRFIDとクラウドサーバを使って一元的に管理する仕組みだ。 |
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![]() 図1(支援物資配送管理) |
カゴ車管理システム
言うまでもなくカゴ車のトレースは物流業界の大きな課題のひとつ。毎年相当量のカゴ車が紛失して、新規購入が必要となっている。小型リーダとAndroid端末を配送担当者に持ってもらい、各店舗での出荷/回収時に読取ってもらうことによって、カゴ車のデータをリアルタイムにクラウドサーバにアップすることができる。また、カゴ車のRFタグを読取ることで、自社のものかどうかが判別できる。クラウドにアップされたデータは加工がされ、店舗ごと/ベンダーごとの未戻りカゴ車の集計や、期間指定、履歴等のデータを瞬時に照会することが可能となる。これまで手作業にて数えて、EXCEL等で集計作業を行っていたことが、一気に自動化される。 |
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![]() 図2(カゴ車管理システム) |
CargoNFC
最後に当社のパッケージ、CargoNFCを取り上げたい。 |
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![]() 図3(CargoNFC) |
おわりに
冒頭に述べたように電波法の改正や、RFタグやRFIDリーダ等が比較的安価になってきており、物流の分野においてもRFIDが普及する土台はできつつある。しかし、物流業界にくまなくRFIDが波及するのは、まだ時間がかかるようだ。例えば現状ではRFタグは宅配伝票の1枚1枚に貼れるほど安価ではない。
我々が得意とするのはセンサーデバイス(今回はAndroid+小型UHF帯リーダ)とクラウドの組合せのソリューションである。クラウドを使うことでよりよいシステムをより安価に提供することが可能となった。
我々は今後とも物流業界の隙間に突き刺さるような、特徴あるサービスを提供することで、風穴を開けて行きたいと考える。